2012年01月07日
大阪遠征前ですが、
この連休で会期が終了とのことだったので『芦田豊雄回顧展』にいってきました。
正直なところ、高校卒業して以降はあまり熱心にアニメを見なくなったし、自分の絵や作品の好みもだいぶ変わったし、さして注目していたわけでもありませんでした。
でも、小学生の時に『魔神英雄伝ワタル』という作品に出会って、この人の絵をひたすら真似することからわたしのアニオタ人生は始まって、今もまだ絵を描く楽しさを失わずにいられるのは、この人がいてくれたからだなあと、改めて感じました。
芦田氏の原画を見るのはこれが初めてです。
印刷されたものよりはるかに色鮮やかで、手が込んでいて、その技巧の高さがよくわかりました。これだけ大きい紙にムラなく迷いなくこんな着色をいったいどうやったら…
作品は、氏の代表作であるワタルシリーズを中心に、グランゾート、トンデケマンなど世代的にジャスト懐かしいもの、逆にミンキーモモ、バイファム、サイボーグ009などの古いもの、そして目にしたことのない新しいものまで。
グランゾートの成長した3人の設定画はネットでもずいぶん話題になっているようです。企画としてまだ生きているものなのかどうか…?
ヴァンパイアハンターDのラフとか、ふつうの人物デッサンとかかなり珍しいものもありました。
他に、交流のあったアニメーター、監督、漫画家などのメッセージ色紙の展示もありました。みなさんそれぞれに熱い想いを色紙にぶつけていました。
あとは声優さんたちのメッセージビデオが会場でリピート上映されていました。それぞれがお持ちの秘蔵イラストなども見せてくれました。
何人か「今はきっと創界山みたいなところにいらっしゃるんでしょうねー」とおっしゃっていたのが印象的でした。
演出家としての逸話も。「早すぎて線しか見えない」的な表現は今でこそアニメでは当たり前ですが、北斗の拳で芦田氏が編み出した業だそうですよ。
愛用していた筆やめがねなどの遺品とともに、体調を崩して入院する直前まで描いていたというワタルの原画がありました。A3くらいのボードいっぱいに、ガタガタの線、ムラだらけの着色。着色されている部分も少ない、未完成の絵。
正直、「えっ…?」となります。
肺の病気で、ペンや筆をもつとき、息を止めて集中することができなくなっていたそうです。
それでも確かなデッサンと力強いタッチは健在で、身体的に支障がでてきても、まだまだ描き続けるという意志がとても伝わってきました。絵を描くってことが、本当に大好きだったんだろうな。
どんな思いでこのワタルを描いていたのかは、想像するしかありませんけどね。
ひとつひとつ、原画の前に立って眺めているだけで、目がじわっとしてきました。
人様のレポとか読んだだけで泣きそうになってたので、号泣したらどうしようと思っていましたが、友人も一緒だったのでなんとか耐えました。
図録は会期中2000部限定で、毎日すぐに売り切れてしまうそうです。知ってれば寄り道しないですぐさま買ったのに…
ていうか2000部て少ないよ。コミケなら午前中に完売しちゃうよ。
再販してほしい。ていうかまた展覧会やってほしい。
たぶん中学の時…だったかな? 友人がアニメ誌の企画イベントに当選して、ワタルのクリスマスパーティとやらに参加したことがありました。そのときに芦田氏もいらしていて、いっしょに写真を撮るための列ができて、まあわたしも並んで撮ってもらったわけですが、お礼をいって離れる時に「飲み物を持ってきてくれますか?」と頼まれて、お茶だかジュースだかをとってきてお渡ししたことを憶えています。
いちアニオタのお子様が雲の上の人とそのような会話をしてしまって、それはもう友人と二人で大はしゃぎでした。
そんな思い出があります。
その時の写真は実家のどっかに眠ってると思うのですが……
ここ数年は、アニメ界の改善などにも尽力されていたそうですから、若い人たちのためにも、もっともっと、がんばっていてほしかったですけど、ね…
創界山みたいなとこで、のびのび、絵を描き続けていてほしいです。
展覧会は1/9までです。
JR秋葉原駅、電気街口出てすぐのUDXという建物の4階。ちょっとわかりにくいけど。
入場は無料ですので、芦田さんのアニメみたことあるひとはいってみるといいよ。
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- at 22:59

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